サンジェルマン・アレイの考古学博物館へ

三和 導代 です。

パリの郊外に位置するサンジェルマンアレイ、ここはパリ郊外の高級住宅地。パリの列車RERの終点にある静かな場所。この駅前にあるサンジェルマン・アレイ城はルイ6世の時代からルイ14世の時代まで、国王の主要な居城の一つでした。1689年に当時の国王ルイ14世がヴェルサイユ宮殿に移り住むまで住んでいたお城です。

この城内は現在、国立考古学博物館として一般に公開されています。ルーブル時術館のように観光客に知れている博物館ではありませんが、フランスの子供たち、小学生や中学生が学校の課外授業として先生の解説を聞きながら見学する姿を多く目にしました。これはパリのシャイヨ宮内にある国立人類博物館での様子と同じです。

女性の先生が子供たちを連れて博物館、ノートを持った生徒たちが展示物の前に腰をつけて先生のお話を聞きながら、本当に真面目にじっくり観察している姿は素晴らしい。先生が質問をすると手を挙げてそれに答える。30人くらいのグループですが、先生の他に生徒のお母さんと思われる女性が3人ほど後方から見守っています。どのグループも同様です。

フランスでは博物館や美術館は26歳以下のEUの若者の学生は無料で見学ができます。かつて40年前は高齢者が無料であったことを明確に覚えていますが、時代は変わり若者を育てるという観点に移行しているのは素晴らしいことだと思います。フランス人が考古学や歴史にとても興味を持つ人々であるが所以の教育からでしょう。

ルーブル美術館は大変込み合っていますので学校の課外授業では難しい、しかし個人で親が子供を同伴して、見学する風景を多く目にしました。特別展であるスーダンの遺跡の陳列でも入口で子供専用の解説付きの小冊子が渡され、それを見ながら子供たちは親と一緒に見学します。こんな姿があらゆる博物館や美術館での普通の光景です。まさに「百聞は一見にしかず」教育です。日本でも是非推奨していただきたい。将来を担う子供たちが人類の歴史を知ることは未来につながる大切な教育であると私は確信するからです。

今日訪問しました国立考古学博物館の先史時代の展示物は目を見張るものがありました。ここの展示はルーブル美術館とは別でフランスで発掘された先史時代からの遺物の展示です。今回はフランスでラスコーの洞窟画などを見てきたこともありますが、様々な場所で発掘された実際の展示品を実際に目にできることは大変幸運なことです。

先史時代の作品は牛や馬などの狩猟時代の動物が主ではありますが、その中でも人間と思わあれる数少ない作品が混じって展示されています。線刻画の人間や女性のオブジェクトが大変興味深いです。現代の人間とは明らかに異なるのです。ルイ14世が住んでいたお城でこんな楽しい時間を過ごすことができたことは貴重な体験でした。

朝晩はまだ寒く薄いコートが手離せない季節ですが、日中は青空が広がるパリ郊外のサンジェルマン・アレイでした。

Miwa World

竹内文書の研究家・高坂和導の遺志を継ぎ、三和導代が古代スメラミコトの足跡をたどる旅。これまでに訪れた国は150ヶ国を超えています。